中1娘の授業観
娘いわく。

 世の中、楽しいことは、脱線と雑談にあるよね。
 復旧したときの孤独感といったらないよ。

 
 2014.05.08 Thursday 16:03 学校生活 permalink  
「冷凍から揚げ」の加熱時間と、NON比例
最近、冷凍食品にお世話になることが増えた。
試してみておいしかったらリピートしている。

が。

鶏のから揚げだけは、冷凍食品は大抵マズイ、
という印象をもっていた。

お肉がぐにゃっとしているし、
味付けが濃い。
(レンジのあと、トースターでやけば
 もうちょっとカラっとなるのかな?)

 ちなみにわが家のから揚げは、
 むね肉かささみを薄切りにした、
 さっぱり系から揚げであり、
 から揚げにジューシーさを求めていない。

しかし先日、冷凍食品安売りセールか何かで
娘が選んできた鶏のから揚げが、
まあまあおいしかったので、
もしかすると品質アップしているのかもしれないと思い、
別の機会に、別のから揚げを買ってみた。

日曜日のお昼ごはんで
ためしに食べてみようということになり、
6個加熱することにした。

で、裏面の説明を読んでみると・・・

〔500W〕
1個・・・約40秒
2個・・・約1分
4個・・・約1分40秒
8個・・・約3分10秒

〔600W〕
1個・・・約30秒
2個・・・約50秒
4個・・・約1分30秒
8個・・・約2分50秒

 「冷たい場合は、温かくなるまで
  10秒ずつ加熱してください」
 という注意書きもある。

はて・・・?

6個の場合はどうすればいいんでしょう?

で、娘とあれこれ相談しているときに
娘は最初、1個分の時間を頼りに
6個分の加熱時間を求めようとしたが、
おかしいと気づいたらしく、
「これ、比例していないね」と言った。

もう中1だから、
気づいてもおかしくないわけだけれど、
「これ、比例していないね」
のひとことがいえたら、
小6までの比例の勉強は、
終わったと思ってもいいのではないだろうか。

ちなみに、先の加熱時間の数値を使って
法則性もさがしてみたいところだが、
(たとえば差をとったり)
個人的には、「経験値」なんじゃないかと
勝手に想像している。
(実際にどうやって割り出しているかは
 まったくわからない)

たとえばこちらのページ↓
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6379838.html
では、「ワット×秒=必要熱エネルギー」
の計算を示してあるが、
このから揚げの表示ではあてはまらないし。

なお、結局わが家では、
まず2分温めて、裏返して20秒温めた。
(ターンテーブルがないタイプ。
 裏返しの意味があったかどうかはよくわからず)

こういう題材も、
「家庭学習」のネタになると思うんだけど、
興味がもてるかどうかだよね〜。

というわけで、テーマは身近に
いくらでもあるよ!

(私なら、本気で調べるのなら、
 会社に電話するよきっと・・・^^;)

  *   *   *

ここで終わる予定が・・・っ

この記事のタイトルを決める段階で、
娘が「反比例」を理解していないことが判明しました〜

自分で勉強してください。
いくら横で
「小さくなっていくって習ったよ!」
と訴えてもダメです〜

わかったら報告してください。

  *   *   *

記事の最終チェックをしている間に
わかったもよう。例も言えた。
よかったよかった。
 2014.04.27 Sunday 14:45 算数・数学 permalink  
本日の娘の名言「落ち込みと反省」
娘「私わかったよ。
  私は落ち込みはするけど、
  反省はしないんだって。」



あなたは昔からそうです〜
反省点はない話(小1)

ちなみに、夜の歯磨き時に生まれた「名言」。

自分の歯磨き粉がみつからなかったのだ。

娘は夜の歯磨きを
パソコンの画面を見ながらやるので、
歯磨き粉が机の上に置きっぱなしだったりする。

いつかはそのままなくなって、
ずいぶんたってから、
可動式のワゴンの下から見つかったこともあった。

私「そういうときにはね、
  ママの辛いやつを使って、
  その辛さをしっかり味わうんだよ」

というような状況のときに、
娘は自分で自分の性質を発見し、
あの言葉に結びついたらしい。

そして娘の歯磨き粉は、
本来の「歯磨き粉入れ」に入ってた。

私の歯磨き粉のかげにかくれて
見えなかったもよう。
 2014.04.26 Saturday 22:32 言葉・発想・行動 permalink  
教育が子どもたちに与えるべきもの
割合としての分数で「2/3+4/5」を考えるとき、
aの2/3 と aの4/5 を加えると考えねばならず、
それは量の分数に近づいていくほかはなくなる、
という遠山啓の考え方を示したが、
実は過去に、娘といっしょに分数を考えているときに、
娘自身がこの発想を出してきたことがある(小4の3学期)。
 
このとき娘はまだ、
学校で分母の異なる分数のたし算を
学習していなかった。
だからあのような発想が出てきたのだと思う。

具体的には、0.5+1/4 を 1/2+1/4 に変えて、
これをどう計算するかを考えていたときに、

娘が「1/2」を「50とおいてみる」
という発想を出してきたという話。

てっきり100の半分としての50だと思ったのだけれど、
1/4を25とはおかなかった。

そして、あれこれ苦戦する娘を見ながら、
ハっとしたのだ。

分数の計算は、たとえそれがたし算としても、
[何か]×1/2+[何か]×1/4
を考えようとしているのではないか、と。

(このなかの[何か]は同じもの)

それは、1mでも1Lでも1kgでもなんでもいいし、
実は1本でも1缶でも1つでもいい。

もっといえば、3mでも4Lでも5kgでもいい。
あるいは、20でも100でも400でもいい。

量の分数で分数の加法を学ぶということは、
この[何か]を最初から固定してしまうこと、
しかも、助数詞ではなく、
[1(身近にある量の単位)]であるところの
[何か]を利用しているということであり、
ただそれだけのことなんじゃないだろうか。

この記事を書く発端となった、前田さんの考え方が、
http://www.twitlonger.com/show/n_1s112qc
前回示したような何十年も前の「割合分数論争」と、
どのくらい関わりをもっているかはわからない。

しかし、無関係ではないと思う。

そして、最初は、教える側の都合としての
「割合分数と量分数」の区別、
つまり、教える側が、
「こうしたらわかりやすくなるだろう」
という考えのもとに採用した概念が、
いつしか、「子どもたちに区別させるもの」
としての分類になってしまったのではないだろうか?

同じことが、他の分野でも起こってはいないだろうか?

ということをふまえて、いま、何をすべきか
あらためて考えてみる。

それは、どうしたら「量分数と割合分数」の区別を
子どもたちにつけさせられるか、ということではなく、
さまざまな側面をもつ分数を学ぶことの意味、
さまざまな側面をもつ割合を学ぶことの意味を、
一から考えなおすことなのではないだろうか、
と私は思っている。

あのときの娘の苦戦は、
意味あるものだったと思う。
そう考えると、「わかりやすい」ということは、
必ずしも手放しで肯定されるものとは限らない、
と思えてくる。

教育が子どもたちに提供すべきなのは、
質のよい「わからなさ」と、
それについてじっくりと考える時間なのではなかろうか。

それは基本的には、
日々の授業のなかで教師ができることだと思うし、
やっていけばいいことなのだけれど、
もし、学習指導要領やその解説や教科書が、
教師の活動に制約を与え、
教師の活動を不自由にしてしてしまうような
要因を抱えているのなら、
そこの段階から考えなおしていくということも、
無駄な作業ではないのかもしれない。
 2014.03.31 Monday 12:59 算数・数学 permalink  
遠山啓が「量の分数」を主張した理由
遠山啓著作集の数学教育論シリーズ5
『量とはなにか−?』に、
「量ではじめるか,割合ではじめるか」
という文章が掲載されている。
(明治図書『教育科学』1961年6月号から)

遠山啓はこの文章のなかで、
以下の3点において、
割合分数(たとえば2/3を、
あくまで2と3の割合だとみなす考え方)
を批判している。

(1)連続量をどうつかむかについての
   具体的な指導法をもっていない。
(2)加法の定義が困難である。
(3)実数への発展がない。

まず、(1)について。

2/3の2と3を分離量として考えるならば、
2/3を一つの量としてつかむことはきわめて困難であり、
二つの分離量の割合がひどく理解に困難なものであることは
すでに多くの実験がそれを示している、と遠山啓は語っている。

また、2と3が二つの連続量であるとすると、
それ以前に単位の設定があり、
それによって″はかる”という手続きが先行しなくてはならず、
2と3は、2÷1、3÷1の意味をもっていることになり、
2/3は2÷1と3÷1の割合、
すなわち「割合の割合」というべきものになる。
これは高度の思考を必要とするし、
典型的な循環論法となる、と。

次に、(2)について。

割合分数の考え方でいくと、
分数の乗法は二つのオペレーターの連続施行として定義でき、
子どもに理解できるかどうかは疑問であるとしても
いちおうの理屈はつくが、どうしても困るのは加法。
分数を実体概念ではなく関係・操作・媒介の概念ととらえると、
「aの2/3」というときのaは不定のものであることが望ましく、
aの2/3とbの4/5をたすことには意味がないから、
aの2/3とaの4/5を加えることをしないわけにはいかなくなり、
これはもう量の分数に近づいていくほかはなくなる、
と書いている。
だから,もし割合分数の人びとがゴマかさないで,この矛盾を切りぬけようとすれば,つぎのような方法があるだろう。それは分数の加減をやってから乗除にうつるという従来の指導体系をひっくりかえして,分数の乗除をさきにやって,その後で加減をやるように逆転するとよいだろう。
(p.163)

そして遠山啓は、量の分数は、
+2/3 と ×2/3 を使いわける必要はなく、
割合分数のような困難はない、と続けている。
また、その根拠として、
加法的な外延量と乗法的な内包量の区別をあげている。

(3)の実数への発展は、
いまはわきにおいておくことにする。

遠山啓ら初期の数教協が目指していたのは、
小学校から高校までを貫く
ひとつの理論体系をつくりあげることだったと
私は理解しているのだけれど、
その結果の歪みが、
現在の小学校の高学年に集中していると思う。

「割合」の学習が、その最たるものだと思う。
ここが手付かずになってしまった。

手付かずになったまま、比例の導入をはかり、
関数の導入をはかってしまった。

確かに、分数の加法・減法を考えるときには、
単位のつく量の分数が考えやすいと私も思う。

そして、量分数で考える加法は、
「2/3+4/5」を最初から
「1m×2/3 + 1m×4/5」
あるいは「1L×2/3 + 1L×4/5」
と考えることであり、
これが数の計算としての「2/3+4/5」と
本質的に変わりがないことを認めなければ、
分数の加法を学んだことにはならない。

遠山啓は、割合分数を批判したときに、

■割合分数と量の分数は別々のものであるから、
それらの加減乗除は別々に学習するべきである。

とは言っていない。
(言っている文献があったら、教えてください。)

もちろん、それ以前に、
「数は量の抽象である」という思想があったことは
重要な論点ではあるけれど、
「量の分数」を強くうったえた遠山啓でさえ、
割合分数と量分数の区別を子どもたちにさせろ、
とは言っていない。

そんな区別がつくくらいなら、
むしろ区別しなくていいのだ。

割合分数で分数を学ぶことは困難が多く、
一貫した理論体系にならないから、
量分数で学ぶべし、と主張したにすぎない。

そして、遠山啓は、
オペレーターの連続操作で
分数の乗法を理解することは
子どもには難しいと考えていたらしいが、
このことについては
「多くの実験がそれを示している」
とは書いていない。

そういう面では、遠山啓は意外にも、
子どもの発達を視野に入れていないと感じる。

加減を量の分数で学んだからといって、
乗法を割合分数で学んではいけない、
ということにはならないだろう。

おそらく当時の遠山啓は、
定義を途中でかえることをよしとせず、
先を見越した一貫した理論を
組み立てたかったのだろうと思う。

だから、小数・分数に拡張されても
乗法の定義がかわらないように、
累加を排除して、
「1あたり量×いくら分」で
乗法を定義した。

今回、連続記事を書くことになったおおもとの文献で
前田さんがおっしゃっているように、
分数は、それそのものが割合の意味を含んでいる。

それはもうあたりまえのこととして、
わざわざ学校で学ぶことではないのか。

そうして学習指導要領でもその解説でも、
「割合としての分数」を学ぶ場面は設定されていない。

なおかつ、分数の乗法は累加と割合で説明されており、
教科書ではペンキを塗る、という事態が起こっている。

(つづく)
 2014.03.30 Sunday 12:53 算数・数学 permalink  
各検定教科書は、「割合(倍)としての分数」をどう配置しているか。
これまで、娘が実際に学校で使ってきた
学校図書の教科書を参考にして、
算数の学習内容の構成を見てきたが、
ここはひとつ他社ものぞいておこうということで、
きのう教科書センターに行ってきた。

今回の目的は、「割合(倍)としての分数」を、
いつ扱っているかを調べること。

ここでいう割合とは、
同じ種類の2つの量の関係のことであり、
簡単にいえば、量の単位のつけようのない分数、
(「〜倍」となる分数)をさしている。

たとえば、2Lの牛乳を3人で等分すると、
1人分は2/3Lとなり、
「L」という単位がつけられるが、
2Lの、3Lに対する割合を示す2/3には
量の単位はつけられない。(2/3倍となる)

こういう分数を、検定教科書6社が
どこでどう扱っているか
(最初にどこで出してくるか)
というのが、今回の調査内容。

で、結果を書くと、
5年生の「わり算と分数」のなかで扱っているのが、
東京書籍、教育出版、大日本図書、日本文教出版の4社、
6年生の「分数のかけ算」のなかで扱っているのが、
学校図書、啓林館の2社となっている。

ちなみに「除法の結果と分数」そのものは、
ジュースの等分などで導入がはかられており、
(教育出版だけ導入をメモし忘れているので
 今度また確認してきます)
5年生で「倍としての分数」を扱っているところは、
それよりもあとで、
割合(百分率・歩合)を学習する構成になっている。
なので、「倍としての分数」を学習するときに、
「割合」という言葉は使っていない。

また、東京書籍は、
小数で答えが出せるような
「倍」を使った問題で復習をしたのちに、
「わり算と分数」の単元に入っている。

「除法の結果と分数」そのものについては、
学習指導要領本文において、
第5学年で学習することが規定されているわけだが、
実際に全社の教科書でそうなっていることが確認できた。
というか、そうなっていないとおかしい。

では、「倍としての分数」の扱いは、
どう考えればいいのだろうか?

学習指導要領解説では、冊子のp.100に、
「AはBの2/3というように、Bを1としたときの
 Aの大きさの割合を表す」ような分数は、
第5学年で取り扱うと書いてあった。

「除法の結果と分数」も第5学年で扱うのだから
これと抱き合わせで考えるのが自然だと私は思う。

しかし、学校図書と啓林館は、
そうは解釈しなかったらしい。
そして、検定も通っている。

なお、大日本図書は、
5年生で「分数と倍」を学習したうえで、
6年生で分数の乗法をペンキ塗りで導入後、
「分数倍とかけ算、わり算」も学習している。
もう「×分数」を学習したのだから、
60mの4/3倍を求めるような
「60×4/3」といった計算もできるわけだし。

日本文教出版では、
チャレンジ問題のようにして
このタイプの問題を出していた。

また、教育出版では、
「分数×単位分数の計算」
なるものも含まれていた。

とにもかくにも、
「分数としての倍」をいつ学習するかは、
学習指導要領本文において規定はなく、
実際、教科書によって学年をまたいでいるのだ。

なおかつ、「割合(百分率・歩合)」よりも
先に学習するのだから、
「倍としての分数」の学習は、
「割合」の学習とは別物、ということもいえる。

というか、そもそも純然たる「割合」の学習は、
学習指導要領本文においても規定されていない。
(規定しようがないのだと思う)

それ(割合の学習)は、
第2学年で「簡単な分数」を学び始めたとき、
すでに始まっているから。
(もっといえば、かけ算を学習しているとき、
 もう始まっているから。)

それは、話の発端となったこの文献の中で、
http://www.twitlonger.com/show/n_1s112qc
すでに前田さんがおっしゃっていること。

分数それ自身が、割合の意味を含んでいる。


(つづく)
 2014.03.27 Thursday 10:11 算数・数学 permalink  
学習指導要領解説では、「分数の意味」をどう説明しているか。
さて、「分数の乗法」について考えるために、
学習指導要領解説のなかの
乗法についての説明をのぞいてきたが、
今度は「分数の意味」そのものについて
説明してある箇所を読んでいきたいと思う。

まずは第2学年の指導要領本文に、

1/2,1/4など簡単な分数について知ること。

とあり、学習指導要領解説の対応部分では、

 1,2,3,4,…などの数を用いると,ものの個数などを表すことができるが,ものを半分にした大きさは表すことができない。しかし,分数を用いると,半分にした大きさを表すことができるようになる。
 折り紙やロープなどの具体物を半分にすると,元の大きさの1/2の大きさができる。1/2は「二分の一」と読む。これは,二つに等分した大きさの一つ分という意味である。
 具体物を用いて1/2の大きさを作り,それらをさらに半分にすると,元の大きさの1/4の大きさができる。これは,四つに等分した大きさの一つ分という意味である。このような活動をさらに続けると,元の大きさの1/8の大きさができる。
 このようにして具体物を用いて1/2,1/4などの大きさを作ることや,1/2,1/4などの数を分数と呼ぶことを指導する。分数の意味や表し方については,第3学年から本格的に指導するが,第2学年では,分数について理解する上で基盤となる素地的な学習活動を行い,分数の意味を実感的に理解できるようにするのがねらいである。

(冊子p.71)

と説明してある。

そして第3学年においては、指導要領本文の段階で、
「分数の意味」について次のように述べられている。

ア 等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに分数を用いること。また,分数の表し方について知ること。
イ 分数は,単位分数の幾つ分かで表せることを知ること。
ウ 簡単な場合について,分数の加法及び減法の意味について理解し,計算の仕方を考えること。


これについて、学習指導要領解説では
次のような説明がある。
(※リットルはL表記に、丸囲み数字は括弧で示しました。)

 ア 分数の意味と表し方
 分数は,等分してできる部分の大きさや端数部分の大きさを表すのに用いられる。
 分数の意味について,その観点の置き方によって,様々なとらえ方ができる。2/3を例にすると,次のようである。
 (1) 具体物を3等分したものの二つ分の大きさを表す。
 (2) 2/3L、2/3mのように,測定したときの量の大きさを表す。
 (3) 1を3等分したもの(単位分数である1/3)の二つ分の大きさを表す。
 (4) AはBの2/3というように,Bを1としたときのAの大きさの割合を表す。
 (5) 整数の除法「2÷3」の結果(商)を表す。
 これらは便宜上分けたところもある。指導に当たっては,幾つかの考えを同時に用いることが多い。なお,「分母」,「分子」の用語を扱う。
 第3学年では,上記の(1),(2),(3)などの考え方を用いる。(4),(5)については,第5学年で取り扱う。
 イ 単位分数の幾つ分
 1/10などの大きさを単位として表す小数に対して,分数は1/3,1/4,1/5など,単位として都合のよい大きさを選ぶことができる。このような点に,分数で表すことのよさがある。
 1/3,1/4,1/5のように,分子が1である分数を単位分数という。分数は,単位分数の幾つ分かで表すことができる。例えば,2/3は1/3の二つ分である。2/3は,1より小さい分数である。また,4/3は1/3の四つ分であり,1より大きい分数である。
 (中略)
 ウ 簡単な場合の分数の加法,減法
 ここでは,同分数の分数の加法及び減法の意味について理解し,その計算の仕方を考えていく。簡単な場合として,真分数どうしの加法及び減法を指導し,和が1までの加法と,その逆の減法を取り扱う。
 計算の仕方としては,単位分数の個数の加法及び減法をすることと考えると,整数の場合と同様に処理できることが分かる。
 例えば,長さの場面を例にあげると,1/5mと2/5mを合わせると何mになるかという問題で,1/5mの三つ分(単位分数の三つ分)に当たるということを考えたり説明したりできるようにする。

(冊子p.100〜101)

(このあと、1リットルますや数直線、折り紙などを使った
 分数の学習の〔算数的活動〕が示されている。)

さて、上記引用部分でまず印象的なのは、
アのなかの、
「これらは便宜上分けたところもある。
 指導に当たっては,幾つかの考えを
 同時に用いることが多い。」
と書いてある部分。

そして、
「第3学年では(1),(2),(3)などの考え方を用いる。
 (4)や(5)については第5学年で取り扱う。」
という部分。

では、第5学年では「分数の意味」を
どう説明しているかというと、本文では、
以下の6項目についての規定がある。

その内容を示すかわりに、
解説の見出しを抜き出すと、

ア 分数と整数,小数の関係
イ 除法の結果と分数
ウ 同じ大きさを表す分数
エ 分数の相等と大小
オ 異分母の分数の加法,減法
カ 分数の乗法,除法

となっている。

先の引用部分の(5)は、イに対応するものであり、
学校図書5年上(平成24年発行)では、
「分数」という単元のなかの
「分数と小数・整数」が対応する。

ここでの導入問題は、
2Lの牛乳を何人かで分けていく設定になっている。
2÷□ の□に1から5までの整数を入れて
整数で表せるもの、
きちんとした小数で表せるもの、
きちんとした小数で表せないもの
のなかまに分けていき、
きちんとした小数で表せないものも、
分数なら表せるよ、
ということで、2÷3=2/3から、
○÷□=○/□ を学習していく。

なお、練習問題として出されているのは
「2mのテープを5等分すると、
 1本分の長さは何mになるでしょうか。」
という問題。

何かを等分するという意味では、
第2学年、第3学年で学んだ分数と同じだが、
その等分する相手が「1」ではないところがミソだと思う。

つまり、1枚の色紙を3等分して1/3とし、
2/3はそれの2つ分と捉えていたものを、
「2」を3等分することで、
「2/3」にもっていく発想になっている。

ところでこれは、
Bを1としたときのAの「割合」なのだろうか?
そうとは考えにくい。
やはりこれは、「何かを等分したとき」の分数だろう。

たとえば、2÷3=2/3を学習するのであれば、
「コップAには2dL、コップBには3dLの牛乳が入っています。
 コップAの牛乳の量は、コップBの牛乳の量の、
 何倍ですか」
というような問題で導入することも可能だ。
こういうものが、「割合としての分数」なのではなかろうか?

同じ2/3でも、
等分する問題では、2L÷3人=2/3(L/人)
コップA、Bの問題では、2L÷3L=2/3(倍)
と考えることになる。

しかし、後者の「割合としての分数」を、
少なくとも学校図書の場合は、
結果的に第6学年で扱っていると私は思う。→

そこで、学校図書5年下のなかの
「割合」をのぞいてみると、以前も書いたように、
シュートの成績を分数で表すことで導入している。

この導入部分で、同種の二つの量の割合を、
さらっと分数で表しているのだ。
ここですませていると考えられないこともない。

ただし、目的は百分率と歩合なので、
″きれいな小数”で答えが出る数値に限られている。

学校図書の教科書の構成では、
「分数と小数・整数」は、
単元としての「割合」よりも前に配置されているので、
「分数と小数・整数」の段階で、
2dL÷3dL=2/3(倍)は
出せないのかもしれない。

なお、教科書の単元としての「割合」では、
百分率や歩合で表せるもの、
すなわち同種の二つの量の関係としての割合を扱う。

しかし、この「同種の二つの量の割合」という言葉は
指導要領本文にも解説にも出てこない。
(解説では、「全体と部分、部分と部分の関係」
という言葉が使われている)

一方、異種の二つの量の割合もあって、
こちらは本文でも出てくる。
単元としては「単位量あたりの大きさ」が対応する。

そんなこんなで、「割合としての分数」を
どこでどう学習するのか、
指導要領本文や解説でどう示されているのかを、
まだ見つけられずにいる。

(つづく)
 2014.03.26 Wednesday 12:57 算数・数学 permalink  
小学校教育の法的根拠について確認しておく。/学習指導要領の位置づけ
少し前に、Twitter経由で、西川純さんという方を知った。
『学び合い』という教育方法を提唱されている方のようだ。

『学び合い』についてはひとまずおいておいて、
西川純さんの次の文章の、前半部分について考えてみたい。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20140312/1394581591

このなかにある、
「学校教育の是非は最終的には法によって定まります。」
という文言にびっくりする人も多いと思うが
(そして私も、上記の言い回しは言葉が不足していると思うが)
いま自分は、ある意味で、この発想に基づいて、
学習指導要領解説に向かっている。

そうすることにしたのは、
指導要領改訂の発表があったことが
いちばんの理由だけれど、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/
edu_national/CK2013122902100005.html

昨年知った、坂口恭平さんの影響も大きいと思う。

坂口さんは『独立国家のつくりかた』のなかで、
「家」とは何か、「住まい」とは何かということを
深く掘り下げて考えているのだが、そのなかで
「多層なレイヤーをすり合わせる意外なもの」
として法律をあげているのだ。
http://sukkiri.artet.net/?eid=1407664

「法律は明文化されていて、
 誰もが触れることができる」
という発想は、目から鱗だった。

(こういう意味での「法に触れる」があったとは!)

あのときの坂口さんの法の扱い方と、
いま自分が考えている法の扱い方では、
ニュアンスが違うけれども、だとしても、
上記の考え方はいまの自分に勇気を与えてくれる。

少なくとも「誰かの考え方を変える」ことよりも、
「明文化されていて拘束力のある法について考える」
ことのほうが、「現実的」なのではなかろうか。

そう思えるのだ。

という意識で教育まわりのことを調べると、
確かに法だらけだと気づく。

まずは文部科学省のページで、
学習指導要領の位置づけおよび
教育に関係する法令について確認してみる。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/
chukyo/chukyo3/016/siryo/05063002/003.htm


法律としての学校教育法があり、
その下位法として、
省令としての学校教育法施行規則があり、
告示としての学習指導要領がある。
(なお、上記のページには掲載されていないが、
 教育基本法もある。)

ちなみに学習指導要領解説
文部科学省の著作物であり、
法的拘束力はないとされている。

しかし、

学習指導要領等の改善の趣旨及び内容について解説したもの

とのことで、法的拘束力があるものを解説したものに、
法的拘束力がないというのはどういうことか、と
首を傾げてしまう。

もしこれが一般書だったら、一解釈と思えばいい。
しかし著者は文部科学省だ。

いずれにせよ、検定教科書を作る会社や
指導要領解説まで読み込もうとする教師にとっては、
「一解釈」で終わることはできないだろう。

さて、そんな学習指導要領はどうやってできるのか、
ということについては、
文部科学省の次のページで流れを示してある。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304373.htm

文部科学大臣からの諮問を受けて、
中央教育審議会で審議していくわけだが、
これには中央教育審議会令というものがある。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/
chukyo0/gaiyou/05091501.htm


委員は文部科学大臣が任命することになっている。
分科会の委員も。

そうして教育課程部会で議論が行われ、
審議のまとめが発表されると、
パブリックコメントが受け付けられ、
中央教育審議会が答申を出し、
学習指導要領改定案が公示されて、
またパブリックコメントの受け付け、
そして学習指導要領の公示となる。

なお、平成19年の審議の内容に対する意見は、
こちらのページで読める。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/
chukyo3/004/siryo/07121718/001.htm


算数・数学専門部会の議事録と配布資料はこちら。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/
chukyo3/013/giji_list/index.htm


ちなみに、パブリックコメントまでまたなくても、
文部科学省は意見・問い合わせを受け付けている。
http://www.mext.go.jp/mail/

そして、実際に子どもたちが接する
教科書の検定にも、法的根拠がある。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/
kyoukasho/gaiyou/04060901/003.htm


教科書Q&Aはこちら。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/010301.htm#01
「教科書は,この学習指導要領に示された
 教科・科目等に応じて作成されています。」
とあり、教科・科目等と言葉はまとめられているが、
つまりは学習指導要領に基づいて作られています、
と解釈してもいいのだろう。

実際、学習指導要領本文には、
「この学年では、これとこれとこれとこれを学習してね」
といった内容の、シンプルなことしか書かれていない。

具体的なことを懇切丁寧に説明しているのは、
法的拘束力のない解説のほうだ。

とにもかくにもこうやって眺めてみると、
学校で行われている教育って、
確かに″法”に基づいているんだなぁ、
としみじみ思う。

そういえば、前の副校長先生も、
PTA活動の内容だって、全部、
教育基本法に書かれてあると
話していたことがあったっけ。

(つづく)
 2014.03.23 Sunday 14:03 算数・数学 permalink  
学習指導要領解説では、乗法の定義で「量」という言葉を使っていない。
前回見てきたように、学習指導要領解説において、
分数の乗法は「累加」と「割合」で説明がなされている。

累加というのは、同じ数を加えていく考え方で、
2×3=2+2+2 というような発想のこと。
(なお、「3+3の可能性はないのか?」という問いは
 いまはわきにおいておくことにする)

この累加の発想が自然に使えるのは、
「×整数」の段階までだ。

たとえば、分数についての補足(その1)/教科書と「量分数」
で、小5で「分数×整数」を学ぶときに、
学校図書では次のような問題を使っている例を示した。

「花だんにじょうろで水をまきます。
 大きいじょうろを使うと,
 1回当たり2m^2にまくことができます。
 また,小さいじょうろを使うと、
 1回当たり2/5m^2にまくことができます。」

「大きいじょうろ3回では,

 何m^2にまくことができるでしょうか」

「小さいじょうろ3回では,
 何m^2にまくことができるでしょうか」

「2×3」から「2/5 ×3」にもっていく流れだが、
この段階では「2+2+2=2×3」
「2/5 + 2/5 + 2/5 =2/5 ×3」というふうに、
かけ算を累加でイメージすることが可能になる。

しかし、「×分数」になるとそうはいかない。
単純に累加では考えられない。
したがって、「回」では対応できなくなる。

そうなると、学習指導要領解説にしたがうならば、
「割合」を使って説明するのが妥当に思えるが、
教科書では「1つ分当たりの大きさ×いくつ分」で
導入している。

それが、ペンキを塗る問題

なお、算数の検定教科書は6社から出ており、
それぞれに個性があるし、
各社、題材には趣向を凝らしているが、
個性が出せないところが
2箇所あると私は記憶している。
(手元にあるのは簡単なメモなので、
 教科書センターで確認しなくちゃ)

ひとつは、「整数×小数」の導入。
6社とも、リボンの値段と長さを
使っていたと記憶している。
整数側に人為的な数量を用い、
小数側には、小数で示すことが
不自然ではない数量を用いるため、
そういうことになるのだろうと思う。
(関連記事:
http://kodomo.artet.net/?eid=1228806

そしてもうひとつが、「分数×分数」の導入。
6社とも「ペンキを塗る問題」で導入をはかっていると思う。
(違っていたら教えてください。)
おそらく、そうするしか道がないのだろう。

  なお、ペンキを塗らなくても
  分数を扱える例が海外にはあります。↓
  
http://math.artet.net/?eid=1422054

ペンキを塗る問題の場合、
「分数×分数」に出てくるどちらの分数にも
量の単位がついている。

これを、話のもとになった次の文献↓
http://www.twitlonger.com/show/n_1s112qc
のなかの言葉を借りて言うならば、
どちらの分数も、「実際に存在している量」
ということになろうかと思う。

ということは、この解釈でいけば、
教科書に出てくる分数の乗法は、
「実際に存在する量分数×実際に存在する量分数」
で定義されている、と理解できる。

ところが、「割合」で分数の乗法をとらえると、
「×分数」は、「×存在しない分数」になるはず。

そこで、再びまじまじと指導要領解説を読んでみる。

〔2年から〕
乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,
その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。

〔5年から〕
整数や小数の乗法の意味は、Bを「基準にする大きさ」,
Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とするとき、
B×P=Aと表せる。


実はこのなかに「量」という文字は入っていないのだ。

私はふだん、小2における乗法の定義を示すときに、
「1あたり量×いくつ分」という言葉を使うが、
前回はあえて指導要領解説の言葉にあわせた。

指導要領解説では、
「一つ分の″大きさ”」と称している。

そして、割合を使って乗法の意味を示すときにも
「基準にする″大きさ”」と称している。

どうでもよい問題に思えるかもしれないが、
こういう細かいところに、歴史の名残を感じる。

たとえば、人口密度や速さなどのような
2種類の量の割合のことを、
「量の算数」を提唱した数学教育協議会は
「単位あたり量」と呼ぶが、
教科書では「単位量あたりの大きさ」と称する。

  この件に関しては、こちらのページが参考になります↓
  http://slashdot.jp/journal/478318/

どの検定教科書もペンキ塗りの問題で
分数の乗法の導入をはかっているのは、
「1つ分の大きさ×いくつ分」の定義から
はなれることができないからだ、と私は感じている。

そうして、指導要領解説では、
「1つ分の大きさ×いくつ分」を
さらっと「割合」に結びつけており、
特に矛盾はなく、検定も通るということなのだろう。

もし、「割合」で分数の乗法を導入するのであれば、

「ジュース1/3Lの2/5を飲みました。
 飲んだジュースは何Lですか」

という問題を使うのが妥当なはずだ。

さらに進めて、

「紙パックに入ったジュースの1/3をコップにそそぎました。
 コップのジュースを2/5だけ飲みました。
 飲んだジュースは、紙パックに入ったジュースの
 何分の何にあたりますか。」

という問題設定も可能だろう。
問題文として整理されてはいないけれど。

このあたりのことを指摘しているのが、
北海道教育大学の宮下英明氏だと思う。
(関連記事:http://kodomo.artet.net/?eid=1228944

以下のテキストのp.11を見ると、その意味がわかる。↓
http://m-ac.jp/me/teaching/subjects/number/rational_num/
product_quotient/book/doc/product_quotient.pdf


しかし、以前も書いたけれど、
この形のままでは現場には持ち込めない。

どうしたらこれを具体的に教科書に反映させられるかは
教科書に携わる人たちの仕事だと思うし、
その人たちのほうが得意だと思う。
あるいは、小学校の先生たちのほうが。

(つづく)
 2014.03.22 Saturday 13:20 算数・数学 permalink  
学習指導要領解説において、分数の乗法は「累加」と「割合」で説明されている。
というわけで、学習指導要領解説のなかで、
分数の乗法がどう説明されているかを読んでいく。

 なお、指導要領解説はweb上でも公開されていますが、
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/
 ここでは販売されている冊子のページ数を示します。

まずは、5年。指導要領本文では、
「A 数と計算」の中に次のような記述がある。

 乗数や除数が整数である場合の分数の乗法及び除法の意味について理解し,計算の仕方を考え,それらの計算ができること。


ここでいう「乗数」をどう解釈するか、
というのもひとつの論点になりそうだが、
指導要領解説から判断するに、
「乗数とは、かけ算の記号×のあとにくる数」
と考えてよさそう。

つまり、「分数×整数」「分数÷整数」を学習せよ、と。

では、学習指導要領解説をのぞいてみる。
該当部分はp.148〜149。

 (分数)×(整数),(分数)÷(整数)を指導する。(分数)×(整数),(分数)÷(整数)の意味は,これまでの整数の乗法及び除法と同じ考え方で説明できる。乗法の意味は,同じ数を何回も加える累加として考えたり,基準とする大きさとそれに対する割合から,その割合に当たる大きさを求める計算と考えたりする。除法の意味は,乗法の逆で,割合を求める場合と基準にする大きさを求める場合で説明できる。
 乗法及び除法の計算の仕方を指導するに当たっては,形式的に覚えさせるのではなく,その方法を,整数や小数の計算などを活用して,児童が工夫して考え出させるようにする必要がある。


個人的にはびっくりの内容になっている。
なぜならば、「1つ分の大きさ×いくつ分」
に対応する文言が一切入っていないから。

では、「これまでの整数の乗法」を確認するために、
2年の「乗法が用いられる場合とその意味」(p.75)
にもどって、冒頭部分を読んでみると、

 乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。つまり,同じ数を何回も加える加法,すなわち累加の簡潔な表現として乗法による表現が用いられることになる。また,累加としての乗法の意味は,幾つ分といったのを何倍とみて,一つの大きさの何倍かに当たる大きさを求めることであるといえる。

とある。

ここにはちゃんと、
「1つ分の大きさ×いくつ分」
に対応する文言が入っている。
(式表現こそないものの)

そして、これを倍につなげる発想も書かれてある。

「小数×整数」の場合はどうだろうか。

(4年/p.122)

 乗数や除数が整数である場合についての小数の乗法及び除法の計算の指導では,その計算の意味を理解できるようにする。乗法は,一つ分の大きさが決まっているとき,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。つまり,同じ数を何回か加える計算と考える。例えば,0.1×3ならば,0.1+0.1+0.1の意味である。累加の簡単な表現として,乗法による表現を用いることができる。さらに,乗法の意味は,基準にする大きさとそれに対する割合から,その割合に当たる大きさを求める計算と考えることができる。


「一つ分」という言葉は健在だが、
「倍」という言葉は姿を消し、
「割合」という言葉が登場している。

では、「整数×小数」「小数×小数」までいくと、
どうなるか。(5年/p.143)

 整数の乗法については,「一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かを求める」「何倍かに当たる大きさを求める」などの場合に用いる。
 第5学年では,乗法を乗数が小数の場合にも用いることができるようにしたり,除法との関係も考えて,より広い場面や意味に用いることができるようにしたりして一般化していく。その際,数量関係を表している文脈が同じときには,整数の場合に成り立つ式の形は,小数の場合にもそのまま使えるようにする。
 例えば,1メートルの長さが80円の布を2メートル買ったときの代金は、80×2という式で表せる。同じように,「1メートルの長さが80円の布を2.5メートル買ったときの代金が何円になるか」という場合,布の長さが2.5倍になっているので,代金も2.5倍になるということから,80×2.5という式で表せる。
 こうしたことから,整数や小数の乗法の意味は、Bを「基準にする大きさ」,Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とするとき、B×P=Aと表せる。
 数直線を用いることによって、乗数Pが1より小さい場合,積は被乗数Bより小さくなることも説明できる。

(※実際に数直線が示されている。ちなみに私が
「二重数直線」と呼んでいる図の、割合バージョン)

この段階にくると、
「1つ分の大きさ×いくつ分」に
さらっと「割合」に結びつけられている。

そして、整数の乗法の「倍」は、
「80×2」の2倍の「倍」だったのに、
後半で出てくる「布の長さが2.5倍」は、
「80×1」→「80×2.5」においての
「1×2.5」の「倍」になっている
(比例関係を意識している)
と、私には読める。

この発想は、現行の算数の教科書の二重数直線の多用、
および、学校図書の教科書などで見られる
「4マス関係表」につながってくると、私は感じている。

では、6年で「分数×分数」までいくと、
どうなるか。(p.166)

 第5学年で,乗数が整数の場合の分数の乗法について,計算の意味を指導している。それは,同じ数を何回も加える累加としたり,基準とする大きさとそれに対する割合から,その割合に当たる大きさを求めたりするというものである。除数が整数の場合の分数の除法は,乗法の逆としてとらえることができる。
 第6学年では,これまでに指導してきた整数や小数の計算の考え方を基にして,乗数や除数が分数の乗法及び除法について理解できるようにする。すなわち,乗法の意味は,Bを「基準にする大きさ」,Pを「割合」,Aを「割合に当たる大きさ」とするとき、B×P=Aと表せる。除法の意味としては,乗法の逆として割合を求める場合と,基準にする大きさを求める場合とがある。


以上は「A 数と計算」から抜き出したものだが、
これとは別に〔算数的活動〕という項目があり、
そこでは「1mの重さ×棒の長さ=棒の重さ」
という言葉の式が、
二重数直線とともに示されていたりもする。

なお、先日見た、学校図書の構成では、
割合としての分数を考えるにあたり、
先に「わり算」が出てくるわけだが、
5年でシュートの成績などで
「割合」を学び始めるときも、
先に「わり算」が出てくるはず。
なぜならば、それは結果としての割合だから。

そうなると、除法は乗法の逆なのか?
という疑問も出てくる。

となると、「除法の結果と分数」も確認したくなるが、
これは5年の学習内容で、
解説ではp.147〜158で触れられている。

しかし完全に数の世界の話になっており、
そこに「割合」の文字はない。

そんなこんなで、「割合」という概念は、
それそのものを学習する前から、
すでに乗法・除法のなかで出てきている。
特に、数の範囲を拡張するときに。

指導要領で、「割合」という言葉を
単元名のように出せないのは
あたりまえのことなのだ、
とあらためて思う。

(つづく)
 2014.03.20 Thursday 12:37 算数・数学 permalink